私人逮捕についてご説明します。【大阪の探偵事務所】
さて、今回は私人逮捕についてお話ししたいと思います。
昨今では、某ユーチューバーが私人逮捕をでっちあげて逆に逮捕されるような事件も起きていますが、そもそも私人逮捕とは何か。
本来、日本の法律においては、逮捕や捜索差押えなど任意ではなく、強制による行為に対しては必ず令状を必要としています。
これを令状主義と言ったりしますが、たとえ警察官であっても、「こいつ怪しいし証拠も十分あるわ」という理由で勝手に容疑者を逮捕するようなことはできないのです。
私人逮捕とは、警察官や検察官ではない一般人が現行犯を発見した場合に行うことができる逮捕のことを言いますが、必ず「現行犯」でないと逮捕することができません。
また、軽犯罪法の場合は、逮捕するための要件が必要であるため、現行犯だからと言って逮捕できるわけではないのです。
ここでいう現行犯逮捕というのはどういう状況を想定しているかと言うと、例えばコンビニやスーパーで客の一人が商品を清算せずに退店した、いわゆる万引きをした場合、通報している間に犯人が逃げてしまいます。目の前で犯行が行われているわけですから犯人であることは明らかです。このような場合を想定して現行犯逮捕が規定されているのです。
万引きGメンがまさにそれですね。
もちろん、窃盗に限らず、住居侵入や暴行、銃刀法、痴漢、殺人など、現行犯逮捕できる状況はいくらでもあります。
こういった場合を想定したものであり、私人逮捕というのはあくまで『例外』的な行為であり、これを人為的に行うことはありえないのです。
特に勘違いされやすいのが、「薬物」です。
覚せい剤や大麻、コカイン、ヘロインなど、薬物には所持しているだけで逮捕できるものがあります。
当然、これらを所持していることが判明すれば現行犯逮捕することができます。
しかし、私人逮捕は絶対にできません。
その理由として、これらは特定の成分(覚せい剤であればフェニルメチルアミノプロパン塩酸塩を含有するもの)に基づいて逮捕できるため、逮捕するためには試薬でその成分を検査する必要があるのです。
ですから、私人逮捕は絶対にできませんし、たとえ警察官であったとしても、この試薬で成分を特定しない限り逮捕はできないのです。
では私人逮捕した場合についてご説明します。
私人逮捕した後は、すぐに通報して身柄を警察官に引き渡します。現行犯逮捕の場合、令状がいらない代わりに現行犯人逮捕手続書という書類を作成することになるのですが、逮捕に至った経緯から逮捕した状況等について詳細に記載する必要があるため、警察署にてある程度拘束されて事情聴取を受けることになります。
逮捕した罪名や状況で拘束時間は変わりますが長い場合終日(5~8時間)かかることもあります。
また、私人逮捕の場合、犯人とは言えその身柄を強制的に拘束(逮捕)しているわけですから、単なる協力ではなく、半ば強制に近い状況で事情聴取や実況見分を受けることになります。
もちろん、ある程度の自由はききますので、食事したり休憩したりすることはできます。
と言っても、その程度の自由しかなく、最低限必要な手続きをとらない限り日を改めるようなことはできないのです。
これって私人逮捕できるの?
泥棒を撃退して殺してしまったらどうなるの?
暴行や傷害の場合、相手を傷つけたら相被疑(お互いが暴行、傷害の犯人)事件にならないの?
などなど、細かいことを言えばきりがないですが、私人逮捕はあくまで「例外的な措置」であることを理解していなければなりません。
SNSなどで「私人逮捕したけど警察署で色々手続きさせられて帰してくれなかった」という投稿を見かけることがありますが、これはその通りだと思います。
ただ、人ひとりを拘束(逮捕)しているということを忘れてはいけません。
現行犯ですから、犯人として明らかです。しかし、裁判ではっきりと判決を受けたわけではなく、あくまで容疑(被疑)者なわけです。
被疑者が犯行を犯した動機、被疑者の人間関係、過去、背景など、あらゆる事情が存在しており、逮捕時点において、被疑者を完全な悪だと断定することはできないのです。
わかっています、犯罪を犯す方が悪いに決まっています。
しかし、もし被疑者が女性で被害者が過去に被疑者に対し性暴力を犯した相手でその報復で刺したとしたらどうでしょうか。
逮捕者の数時間が被疑者の将来に直結することになると考えたらどうでしょうか。
少なくとも私はどれだけ時間がかかったとしても、協力を惜しまないと思います。
皆様の考えをお聞かせいただければと思います。
全く探偵と関係ないお話しでしたが、ご意見、ご連絡お待ちしております。
今後も探偵に纏わる内容以外に、過去に事件や警察ネタや時事ネタをブログに綴っていきます。
ご興味がおありでしたら他のブログも一読いただければと思います。
ケイジ探偵事務所
住所:大阪府門真市千石東町39-1-4
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