大阪の探偵が先日起きたストーカー殺人について語ります

query_builder 2025/05/15
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先日神奈川県川崎市で元交際相手からのストーカー行為に悩んでいた女性が遺体で発見されるという事件が起きました。

今回は元警察官という立場から、警察の対応等についてお話ししたいと思います。

事件の時系列

令和6年春頃 被害者(岡崎さん)と元交際相手(白井容疑者)の交際スタート

同年6月 白井容疑者からのDVが始まる

同年9月 岡崎さんの父親から被害届が出される

同年11月、12月 白井容疑者が自宅周辺をうろついていると通報する

同年12月20日 岡崎さんが行方不明になる

同年12月23日 県警が行方不明届を受理する

令和1月中旬 白井容疑者の親族が「殺してしまったかもしれない」と県警に話す

同年3月25日 県警が白井容疑者を事情聴取。ストーカー行為を認める趣旨の内容を話す

同年4月2日 白井容疑者国外逃亡

同年4月30日 白井容疑者の自宅を捜索。白骨化した遺体を発見

同年5月3日 DNA鑑定により岡崎さんの遺体と判明、白井容疑者を死体遺棄で逮捕


さて、本件に関しては、警察の対応があまりにずさんだったと非難の声が上がっていますが、それも当然のことです。

では警察目線でどこがずさんだったのかご説明します。

どこがというか、そもそも初っ端の対応がすでにアウトです。

それはDVで被害届が出された後の対応になります。

DVにおいては、警察は単なる傷害事件よりもより高度で慎重な対応が求められています。

DV自体の相談は生活安全課が対応しますが、被害届が出されたとなれば主担が刑事課にかわります。

生活安全課はDVの相談を受けた場合、まずは事件化できるかを判断します。

事件化、つまり、傷害事件として被疑者を逮捕できるかを判断するのです。

本件は被害届が出されたわけですから、被害者には被害申告の意志があったわけで、ここで積極的に被疑者逮捕に乗り出すべきでした。

しかし実際には、被害者から被害届の取り下げがなされたということでそれを受理し捜査を終えています。

DV事件の場合、一度被害届を出した被害者が被害届を取り下げるということはよくあります。

しかし、取り下げがあったからといって「はいそうですか」と取り下げに応じるような捜査員は警察官を辞めた方がいいです。

担当になった捜査員は、なぜ取り下げようと思ったのか、被疑者とは現在も交際中であるのかなど詳細に聴取したうえで、被疑者を逮捕する旨を告げて、取り下げる必要がないということを説明しなければならないのです。

それでも被害届を取り下げるとなったとしても、生活安全課に説明したうえで、同様にDVの被害に遭ったりすれば、すぐにでも再度被害届を出し、今度こそ事件化するよう連携を図るべきでした。

本件は被害届を取り下げたわけですが、この後実際に白井容疑者が岡崎さんに対してつきまとい、明らかなストーカー行為に及んでいるわけで、この時点で白井容疑者を警察署に任意同行し、禁止命令などの必要な措置を講じるべきでした。

しかし実際には、周辺のパトロールをしただけで、白井容疑者と接触すらしていなかったのです。

さらには、岡崎さんはおそらく昨年12月20日頃に殺害されていますが、そうなると遺体発見までに4か月以上が経過したことになります。

まだ寒い時期だったとしても、4か月以上も経過したご遺体となれば相当に腐敗が進み、それこそ見る影もない状態になっていたはずです。

報道では一部白骨化しているとなっているので、すでに人の原型すらとどめていなかったでしょう。

こうなってしまうと、司法解剖をしても、死因はおろか、殺害方法までわからない可能性があるのです。

つまり、白井容疑者が岡崎さんを殺害したことはほぼ確定的ですが、たとえ本人の口から殺害方法等が語られたとしても、それが立証できないとなれば、最悪の場合、殺人罪で起訴できない可能性があるのです。


話をまとめますと、本件においては、事件を未然に防ぐことができたにもかかわらず、警察のずさんな対応によって被害者が死亡するに至り、さらには、これは今後の捜査次第ですが、最悪の場合、警察のずさんな対応によって遺体発見が遅れたせいで、被疑者を殺人罪で立件できない可能性があるということです。


私は警察の内情をある程度知っていますから、必然的に警察側を擁護する側に回ることが多いですが、本件は明らかに警察の失態であり、捜査に関わった捜査員全員警察官を辞めるべきだと思います。

「面倒くさい」「どうせ大事にはならない」「被害者が大げさ」どうせこんなことが飛び交っていたんだと容易に想像できます。

警察の対応一つで簡単に守れた命が、警察の対応のせいで奪われたわけです。

「上の命令に従っただけ」とかクソみたいなこと言わず、全員辞めるべきでしょう。

それほどずさんな対応だったことを理解すべきだと思います。

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ケイジ探偵事務所

住所:大阪府門真市千石東町39-1-4

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