元大阪府警の警察官が地域課と内勤との関係について話します【大阪の探偵事務所】

query_builder 2024/09/23
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警察官を退職してから数年が経過いたしました。

私は現在探偵として稼働しているわけですが、今回は内勤と地域課(外勤?)についてその関係性などをお話ししたいと思います。


警察官という仕事には地域課に対して内勤と呼ばれる部署があります。

この内勤というのが刑事課、交通課、警備課、生活安全課になります。

基本的に警察官になればこの内勤を目指すことになるのですが、人によっては地域課一筋という人も存在します。

警察官は拝命すれば一部例外を除いてまず所轄の地域課に配属されます。

地域課というのはいわゆる交番のお巡りさんのことで、警察官としての知識を学ぶとともに、事件や事故、通報等に対応することで多くの経験を積むことになるのです。

事件や事故が発生すると、まずこの地域課が現場に駆け付け、当事者から事情聴取したり、現場保存をしたり、目撃者を確保したりします。

これを初動捜査と言いますが、この情報を内勤に伝え、後の捜査は事件に応じてこの内勤が引き継ぐことになります。

引き継ぎが終われば地域課の任務は終了となり(事件によっては現場保存等に従事することもある)、次の事件・事故に備えることになるのですが、内勤はここからあらゆる捜査を尽くして、被疑者を特定し、逮捕状を取得するという手続きを行います。

さて、何が言いたいかと言いますと、この内勤と地域課(外勤?)には上下関係のようなものが存在しており、内勤は地域課の警察官を下に見る傾向にあります。

基本的に警察官は階級社会であり、部署に関係なく上命下従が原則になります。しかし、内勤と地域課には階級を超えて別の上下関係のようなものが存在しており、地域課の警察官は内勤に対して頭が上がらないのです。

その結果、内勤は地域課に対して下に見ている、言い方は悪いですが馬鹿にしている節があるのです。特に地域課一筋の警察官に対しては、「志が低い」というイメージをもたれやすく、より下にみられがちになってしまうのです。

ではなぜこのような見えない上下関係が存在してしまうかと言いますと、前述したとおり、警察官は内勤を目指すべきということが一つの理由になります。また、地域警察官は三部制といって、一日勤務して翌日の昼前には勤務を終え、さらにその翌日は休日となります。しかし内勤は平日は通常どおり出勤するうえに、6日に一度当直勤務をしなければならないのです。当直勤務というのは朝から夜通し仕事してさらに翌日も夕方まで仕事が継続されます。そしてさらにその翌日も通常通り朝から仕事が始まるのです。要は勤務時間が明らかに内勤の方が厳しいわけです。

内勤からすれば地域警察は内勤に引継いで任務解除になるわけですから、「楽」という印象を持ってしまうのです。この勤務時間に関していえば、私も大きな事件が発生した時は、終電で帰る事さえできない生活が三週間続いたうえに、三か月もの間休みがありませんでした。それに加えて、当直勤務までこなしていたわけですから、本当に過労で死ぬかと思いました。

内勤と地域課の関係は一般の方が思っている以上に複雑で、決して良好な関係とは言い難い場合がほとんどです。

ちなみに当時の私は、地域課に対して下に見るといった感情はありませんでしたが、すぐに刑事課に引き継ごうとする態度に対しては、たとえ階級が上であっても「地域課でできることは地域課でやってください」と刑事課の介入を拒否することはありました。

ただ、刑事課と違って地域課はあらゆる現場で初動捜査を行うことになります。私は交通課が苦手でしたが地域課はそれらすべての知識を必要とするわけです。つまり地域課はそれだけ多くの知識と経験を有する部署であり、本来最も難しい立場にあるわけです。


警察官と言っても所詮は人間です。自らの意志で内勤を目指したにもかかわらず、その厳しさのあまりいつの間にか地域課に対して妬みや苛立ちを募らせ、その結果ありもしない上下関係を作り優位に立っていると錯覚させることで自身を納得させているのです。

地域課と内勤だけではありません。同じ内勤、例えば刑事課と生活安全課の間にも事件の振り合いは日常茶飯事で、決して一枚岩ではないのです。


今回は地域課と内勤との関係についてざっくりではありますがお話しさせていただきました。

他にも聞きたいことがあればメールフォームからで結構です。お問い合わせくださればと思います。


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ケイジ探偵事務所

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