続:交渉や駆け引きのコツについて【大阪の探偵事務所】

query_builder 2024/08/29
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前回の続きになります。

今回は具体的な交渉の方法等について話していきます。

その前に、被疑者の心理について説明します。

前回、被疑者に対して反省を促すことも取調べの目的だとお話ししたかと思います。

しかし、実際に反省する被疑者など極めて稀で、大半の被疑者は自身のことしか考えていません。

逮捕された被疑者(犯人)が何を考えているのか、答えは簡単です。

どうやったら罪から逃れる事ができるか、もしくは罪を軽くできるか、これしか考えていないのです。

これは誰もが知っていることですが、日本の刑事裁判は「疑わしきは罰せず」という大前提があります。

これは1%でも犯人ではない可能性があるなら犯人と断定してはならないという意味であり、被疑者(or弁護士)はこれを逆手にとるのです。

つまり、警察(検察)側にどれだけの証拠があるのか、犯人側はこれを知りたいわけです。

もし確たる証拠がなく、自供から秘密の暴露を促してそれを確証としているのであれば、被疑者は供述さえしなければ無罪になる可能性があるということになります。

しかし逆に、指紋やDNAなど確証がある場合、被疑者の供述など不要であり、有罪はほぼ確定しています。

被疑者の立場からすると、確証がないのであれば下手に供述するのは得策ではないと判断し、黙秘権を行使して裁判では無罪を主張したいと考えます。

逆に確証がある場合は、今度は反省の態度を示して情状酌量を求めて少しでも刑期を短くしようと考えるのです。

ここからが交渉・駆け引きに関する話になります。

ある殺人事件の被疑者を逮捕したと想定します。

しかし警察は状況証拠だけで被疑者を特定しており、確証はない状況です。

ここから取調べが始まるわけですが、警察側は当然「秘密の暴露」を引き出す必要があります。逆に被疑者側は「証拠の有無」を知りたいという状況になります。

さて、みなさんならどうやって取調べを行いますか?

もちろんこれに正解はありません。

ただ、やってはいけないことはいくつかあります。

例えば、「○○の証拠がある」と嘘をつくことです。

指紋が出たとか、DNAが出たとか、目撃者がいたとか、具体的な証拠を示唆して供述を得たとしても、それによってたとえ秘密の暴露を引き出せたとしても、被疑者を騙して得た供述は証拠として採用されない可能性があるだけでなく、違法な取調べとして逆に非難される恐れがあります。

※証拠はあるという言葉を発することがダメなわけではなく、具体的な嘘の証拠を言うのはダメという意味です。

※状況証拠であってもそれは「証拠」に間違いはなく、「証拠がある」ということになるからです。

同様に、逆に手元にある証拠を伝えてしまうことです。

たとえ確証があったとしても、手の内を明かすのは得策ではありません。

なぜならそれを伝えたことで、何らかの対応策を考えられる可能性が生じてしまうからです。

ではどうすればいいのか。

相手に確証があると勝手に思わせることが最善になります。

人は色々なことを考えます。

そして考えれば考えるほど、なぜか最悪の場合を想定してしまう傾向にあるのです。

私が実際に行っていた手法としては、確証がない被疑者で、否認していた場合、あえて事件のことを話さないということをしていました。

ただひたすら雑談するだけで、一切事件の話をしないのです。

そうすると被疑者は勝手に悪い方向に考えてくれます。

被疑者の脳内は「え、事件のこと聞かないの?もしかして聞く必要がないってこと?供述がいらないってこと?つまり確証があるってこと?」となるわけです。

実際に不安になった被疑者から「刑事さん、雑談ばっかりしてていいんですか?」と聞いてくることもありました。

そうなると先ほども説明したように、被疑者は刑期を軽くするという方にシフトしようと考え、情状酌量を求めて素直に供述を始めます。

もちろん、簡単にはいきませんし、結果何も供述しなかったこともあります。

それは結果論ですが、基本的には手の内を明かさないというのはいかなる交渉においても重要になります。

ちなみに私は確証があった場合は、事件の話を繰り返して、何が何でも供述が必要というように相手に思い込ませます。

そうすると被疑者は確証がないと勝手に判断し、否認して無罪を勝ち取ろうとします。

その結果、もちろん確証があるわけですから裁判では有罪は確定しており、更には警察の前で否認していたということで情状も悪くなり、裁判官の心証を悪くさせることになり、刑期が伸びる可能性が高くなるのです。


不倫に関しても同じです。

社会通念上、不貞は悪い事として認知されています。

不貞する側の心理は犯罪者のそれと大差はありません。

一体どこまで証拠を掴まれているのか、証拠があるなら今度は謝罪して赦しを請うべきとなるわけです。


不貞に関して、この証拠で交渉は可能か?現状でどうやって話し合えばいいのか?などなど、御相談をお待ちしております。

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ケイジ探偵事務所

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