西成の暴動について実体験をもとにお話しします【大阪の探偵事務所】
前回の続きになります。
その日、私が当直勤務に入ろうとしていた時でした。
警察署の外から労働者らの「西成警察ふざけんな」とか、「担当者出てこい」と言った怒声とともに、ワンカップの空きビンが投げ込まれたのです。
そうこうしていたら今度はスピーカーを持った男性が他の労働者らを扇動するかのように、拡声器越しに「西成警察!担当者を出せ!」などと言い始め、それにあわせて次第に人が増え始め、警察署の門の前に集まってきました。
いち早く危険を察知した署員が門を施錠したことで警察署内になだれ込むような事態にはならなかったのですが、警察署の前には多数の人だかりをできており、騒然としていました。
警察側も警備課が主導となり、再三解散を申し出るのですが、人は増えるばかりで、それどころか今にもとびかかってきそうな状況にまでなっていました。
そんな中、警備課から「裏門へ急げ」という指示が飛んできました。
西成警察署には、警察車両等が出入りするために警察署の裏手に門扉が設置されていました。
そこに労働者が群がってきており、しかも労働者はその門を体当たりして破壊しようとしてきたのです。
私ら当直員は急いでジュラルミン製の盾を携行し裏門に向かいました。
見ると、鉄製の門が今にも開きそうになっており、労働者らが「開けろごら!」などと言って門をこじ開けようとしていました。
私らは盾を上段に構えて入ろうとしてきた労働者らを押し返し、門扉を閉めてさらにバリケードを張りました。
そうして門扉を守っていたところ、なんと頭上から自転車が降ってきたのです。
労働者らが道に駐輪されている自転車を何台も門の上から投げ込んできたのです。
私らはすぐさま盾を頭上に構えて強固なバリケードを張って門を守りながら自身の身を守っていました。
この状況は本部に伝えられ、すぐさま機動隊、管区機動隊が応援にきてくれることになりました。
しかし、機動隊が到着するまでの間は、我々が警察署を守ることになり、それだけでなく、外で事案対応に当たっていた警察官が労働者に襲われる事件が勃発したのです。
私たちは襲われている警察官を救うために盾を構えながら門を飛び出すと道路に対して垂直に並びました。
そして襲われた警察官を救助する間、道路を遮って対応しました。
その間、労働者らは石や卵を投げつけてきたり、中にはとびかかってきて我々を引きずり込もうとする者まで現れました。
我々の任務はただ耐えることでしたが、警察側も仲間がやられているわけですからみんな頭に血が上っており、とびかかってきた労働者に対して盾で殴り返したりしました。
救出後は再び門の中に入り、門が開かないように必死に耐えていました。
どれぐらい時間が経ったか分かりません。
あの時はとにかく必死で本当に命の危険を感じていました。
ついに機動隊が到着しました。
機動隊は通称UFOと呼ばれる遊撃放水車を使って労働者らを一掃しました。
その瞬間盾の重さを感じて盾を地面に置いたのですが、二時間以上もの間、私たちはずっと盾を構えていたのです。
これが火事場の馬鹿力なんだと心底実感しました。
その後は持ち場が正面に移り、警察署の門扉に対して火炎瓶を投げつけてくる者らがいたので、それの消火活動を行うことになりました。
そして翌朝5時頃、嘘のように労働者らが去っていき、辺り一帯が無音に包まれました。
私らは死んだように警察署内で眠りました。
昼頃、一旦帰宅することが許されたので、私は帰宅して風呂に入り、疲れを癒しました。
そして午後4時頃、再び警察署に出勤したのです。
警備課の予測では、暴動は数日間続くということでした。
ただ、出勤する際、警察署の周りには労働者はただの一人もおらず、まさにもぬけの殻状態でした。
私は「もう終わったんじゃないの」と安易に考えていたのですが、その日の午後5時頃、再び拡声器を持った男が労働者らの扇動を始めたのです。
そして再び夜通しかけて暴動がおき、私は今度は当直員としてではなく、直轄警察隊員として、暴動に対処する任に就きました。
ただ、二日目以降はすでに機動隊が待機していたので、すぐさま機動隊員らが暴動に対処し、初日のような命の危機に陥るような事態にはなりませんでした。
これが、三日、四日と続いたので、私は内心「いつ終わるんだ。はよ終わってくれ」と願うばかりでしたが、五日目か六日目か忘れましたが、終に扇動者を逮捕したことで、暴動が終息しました。
さて、この暴動がなぜ起きたかについて説明します。
これは、とある男性が西成警察署の刑事課捜査員から取調室で暴力を振るわれ、そのことを釜ヶ崎地域労働組合に相談したことで同組合の委員長稲垣浩が警察署に対して抗議活動を行いそれが扇動となって暴動に発展したのです。
ちなみに稲垣に対する逮捕理由は道路を無許可で占領したとして、「道路交通法違反」になります。
他にも多数の関係者を公務執行妨害などで逮捕しました。
ところで、そもそもの暴動のきっかけとなった捜査員による「暴力」ですが、、、、警察側は完全に否定していますが、これは・・・・○○です。
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