刑事の取調べについて語ります【大阪の探偵事務所】

query_builder 2024/03/21
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今回は「取調べ」についてお話ししたいと思います。

取調べは刑事ドラマ等でもよく見かける光景なので取調べと聞いただけで状況は想像できるかと思います。

この取調べには大きく分けて被疑者の取調べ、被害者の取調べ(事情聴取)、参考人の取調べ(事情聴取)と3つの種類があります。

被疑者は当然犯罪を犯したと思われるいわゆる犯人に対して行う取調べで拘束、不拘束問わず被疑者に対する取調べを言います。

被害者の取調べは実際に犯罪の被害に遭った被害者に対する取調べのことで一般的には事情聴取とも言います。

参考人の取調べはそれ以外の者に対する取調べ(事情聴取)のことで、例えば事件の目撃者であったり、情報提供者であったり、被疑者や被害者の家族であったり、場合によっては被疑者かもしれない相手に対しても一旦参考人として招致し事情聴取することもあります。

いずれの取調べも事件解明には必要不可欠であり、重要ですが、やはり重視されるのは被疑者の取調べであり、警察官はあらゆる手段、手法を用いて被疑者から供述を引き出そうとします。

前回お話ししましたが、かつては被疑者の自供が特に証拠として重視されていたので、長時間の過酷な取調べは言うに及ばず、時には罵声を浴びせたり、最悪の場合暴力を振るうような厳しい取調べが行われていました。

その結果、冤罪を生む結果となり、無実の人が罪を償う(罪はない)ことになるだけでなく、真犯人を取り逃がすことになりました。

現代社会においては、DNAという新しい捜査手法が加わったことで、これが指紋と同様唯一無二であるので、明らかな物的証拠となりました。

しかしながら、未だに古い考えの警察官というのは存在します。

当時、私が警察官として勤務していた頃は、刑事でありながら被疑者から自供を得られないことは恥とされていました。

つまり、暴力を振るってでも被疑者から自供を得ていたのは、事件解明のためではなく、あくまで警察官(刑事)としてのプライドであり、恥をかきたくないとか、周りから一目置かれたいというくだらない私情で取調べが行われていたのです。

実際に私も全治二週間の傷害の被疑者を逮捕し、その取調べを行っていたのですが、被害者はなん十発も殴られたと主張していたのに対し、被疑者は何発か殴ったが数まで覚えていないと主張したのです。

私は被疑者が言うように「数は覚えていないが何発か殴った」というような内容で調書を作成したのですが、当時の上司から「なん十発も殴ったと言わせろ」と言われ、調書を再度作成するよう言われました。

ここで言いたいことは、私もなん十発も殴ったと思っていたらそのように厳しい取り調べを行ったと思います。

しかし、実際に怪我は二週間程度であり、被害者が大げさに被害を訴えている可能性もあったのです。

私は何度も被疑者を取調べて「なん十発も殴ったんやろ」と問いただしましたが被疑者は「覚えてないとは言ったけど、なん十発も殴ってない」と言って意見を変えようとしませんでした。

それを上司に説明すると、「こんな被疑者の取調べもできんのか。使えん奴やな。調官かわるか?」などと言ってきて、更には他の係(私は当時強行犯係でしたので、盗犯とか鑑識、知能犯等の別の係)にわざわざ「あいつは使えませんわ」と言いふらすのです。

明らかに度を超えたパワハラですし、私も精神的、肉体的に相当なダメージを受けました。

もちろん、これはあってはならないことであり、被疑者に無理やり供述させたところで、例えば公判で裁判官に対して「無理やり供述させられた」と言われるだけなので意味がないのです。

しかし、これが現実における刑事課の取調べでした。

自供させることができない刑事は刑事じゃない、使えない、取調べできない、そういうレッテルを貼られてしまうのです。

これは当時の私の上司もそのような悪しき習慣で育ったことで、それが当たり前でそうあるべきだと錯覚し、部下に対してそれを強要した結果に他なりません。

これは余談ですが、私は昇任したことで別の署に異動することになり、この上司からは離れることができたのですが、私の後についた刑事(私の知り合いで仲が良かった人)が後に自殺しています。

私が警察官を退職した直後から、可視化が義務化されたうえ、取り調べに関して多くの制限が設けられることになりました。

このような悪しき風習はなくなったと信じたいですが、おそらく未だに刑事にとって取り調べはプライドの一環として続いているのではと思います。

犯罪を犯したものに対して、徹底的に取り調べを行うことは当然のことであり、時には厳しい取り調べ(暴力はなし)も必要だと思います。

しかしそれはあくまで被害者のため、事件解決のためであり、決して自身のプライドを守るためであってはならないのです。

最近愚痴に近いブログが増えていますね。

次回はちゃんと探偵に関するブログを書こうと思います。


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ケイジ探偵事務所

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