警察の闇について話します【大阪の探偵事務所】 | 大阪の探偵ならケイジ探偵事務所 | ブログ

世間では度々「警察ってヤクザと繋がってるんじゃないの？」といった声が聞かれます。

テレビドラマや映画（最近では孤狼の血とか）でも警察とヤクザが繋がっている描写が表現されていることがあります。

これはあくまで私が警察官として勤務していた経験を踏まえたうえで、私の主観での回答となりますが、結論から言いますと「（ヤクザと）繋がっていないと信じたい」という答えになります。

警察組織は常に上命下服であり、自身が「これはおかしいだろ」と思っていたとしても上司の命令は絶対なのです。

かつて私は覚せい剤の密売事件の捜査をしていたことがあるのですが、当時西成区内では覚せい剤が路上で密売されていました。

直接現地に行って、パケと呼ばれる覚せい剤入りのポリ袋を売人から直に受け取って購入するのですが、覚せい剤は所持していたらそれだけで違法なので逮捕されることになります。

だから売人は覚せい剤をコインロッカーや簡易宿泊所、草むらなどに隠して客がついた時点でそれを取りに行って手渡す方法で密売をしていました。

日本の警察はおとり捜査ができず、警察官が買いに行くことができないので、売人を逮捕するためにはまず客から逮捕して突き上げ捜査といって客に「こいつから買った」と言わせて売人、さらに仕入先、最終的にはヤクザまで検挙するというやり方で組織犯罪を取り締まっています。

売人をいくら逮捕してもトカゲのしっぽ切で、また別の売人が覚せい剤を密売するだけなので上の組織（暴力団）を検挙しないと意味がありません。

当然警察は暴力団組織壊滅を図り、突き上げ捜査を実践していくわけですが、この時の捜査に納得できないことがありました。

私としては、薬物の蔓延を防ぐことが第一であり、一日でも早く密売拠点を取り払い、突き上げ捜査を行っていくべきだと考えていたのですが、実際にはこの密売拠点は3年以上続くことになりました。

先ほども言いましたが、突き上げ捜査自体は単純で、まず客を逮捕し、客の供述から売人を逮捕し、売人の供述から仕入先を逮捕し、暴力団組織の組員を逮捕し、最終的に上部の組織にまで捜査の手を入れることが目的、目標になります。

もちろん、実際には供述を得ることが非常に困難なので、なかなかうまくはいきませんが、警察（刑事）はこのためにあらゆる捜査をしてなんとか暴力団組織を一網打尽にしようと躍起になります。

しかし、この捜査で私の中で警察に対して不信感を抱くことになります。

前述したとおり、私としては薬物の蔓延を防ぐことが重要であり、一日も早い捜査が求められるべきだと考えていましたが、この捜査は結果的に3年以上を要することになりました。

この間、組織は覚せい剤の売り上げを得ているわけですから、数千万、数億という金銭を得ていたことになります。

ではなぜこれだけの時間を要したのか、なかなか客がつかなかったから？違います。

客は毎日10名以上買いに来ており、簡単に逮捕できたのです。

しかし、これが逆に問題でした。

これは内部で決まっていることらしいのですが、各警察署には検挙数の年間目標というものが設定されているのです。

西成やミナミのように薬物が蔓延している地域を管轄する西成警察署や南警察署であれば薬物の検挙数は容易に目標を達成できますが、比較的治安のよい地域では薬物事犯が少なく、目標に達するのが困難な警察署もあるのです。

そのような状況下、簡単に、確実に覚せい剤所持者を逮捕できるとなるとどうでしょうか。

そうです、密売拠点をあえて潰さないことで、これらの警察署に覚せい剤購入者を検挙させ目標を達成させていたのです。

つまり、点数稼ぎをしていたわけです。

この目標というものは刑事に限らず、全ての部署に設定されていて、例えば多くの方が交通反則切符を切られたことがあると思いますが、警察官はなぜか隠れた位置で見張りをしています。

警察の目的は交通事故を防ぐことなわけですから、交差点でも見える位置で監視していれば車両は赤信号で止まろうとしますし、違法な追い越しや速度を上げるようなこともしないはずです。

しかし、警察はまるで車両に違反行為を促すかのように、隠れた位置で監視して違反車両を心待ちにしているわけです。

これは当然切符を切る事に対する目標が設定されているからにほかなりません。

話を戻しますが、当然のことながら、当時私の班の係長（警部補）は「早くつぶすべきだ」と怒って補佐（警部）に直談判していましたが、補佐も上からの命令ということで密売拠点をあえて監視するだけに留めていたのです。

最終的に3年を過ぎたころにこの拠点はおろか他の全ての密売拠点が潰れることになるのですが、ではなぜつぶされることになったのか。

答えは簡単です。

大阪知事の一声で一斉摘発が行われ、事実上覚せい剤の路上密売はなくなりました。

ちなみにこの時の知事が橋本知事になります。

橋本知事の一声で組織は一気に手のひらをかえて瞬く間に西成から覚せい剤の密売拠点を一掃したのです。

ちなみにこの薬物事件ではとある暴力団組織の幹部まで逮捕し、最終的に組長さらに上部団体の組まで突き上げ捜査するつもりでしたが、幹部を逮捕しただけで捜査は終了となりました。

これについての詳しい話は次回お話ししたいと思います。

続く・・・

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