引き続き警察学校について【大阪の探偵事務所】
前回に引き続き警察学校についてお話ししたいと思います。
その前に携帯電話についてですが、警察学校では基本的に教官の指示に従います。
よって教官が携帯を預かると言えば携帯電話は没収され、使用できなくなります。
私のクラスの担任教官は携帯電話を取り上げる事をしなかったので、休憩時間や日課時限の終わりには携帯電話を使用することができました。
クラスによっては携帯電話を没収されて卒業まで使用できないというクラスもあったようです。
また、授業や訓練についても「担任指導」というものがあり、これは教官の裁量で授業や訓練、会議などを行うもので、これも教官次第で内容が大きく変わりました。
私のクラスの担当教官は他の教官に比べて圧倒的に穏やかで、優しい方でした。
そのおかげで携帯電話も自由に使用できたうえに、土日も寮から出て自宅での外泊が認められていました。
訓練は体力錬成ばかりではなく、ソフトボールをやサッカーをすることもありました。
ちなみにとあるクラスの担任は、朝からコンクリートのうえで拳立て伏せ(腕立て伏せでの要領で掌ではなく拳で行う)をさせており、そのクラスの生徒全員の拳が毎日血だらけになっていました。
それでは具体的な訓練や授業についてお話しします。
授業は警察官に必要な知識を身に着けるために刑法・刑事訴訟法を中心に学びます。
授業といっても教官(現役の警察官)がするわけですから、ほぼ教科書に沿って説明を受けることになります。
この授業内容も教官の裁量に委ねられており、教官によっては現場での実体験を話してくれる方もいました。
この実体験がリアルで迫力があって、いずれは私も第一線で働くことになると思うと「やってやるぞ」という気持ちになる反面、「私にできるかな」と不安にもなりました。
訓練は柔剣道、拳銃の射撃、敬礼等のかっこ動作(教練ともいう)、災害警備など様々で、その中でも拳銃の射撃訓練が最も厳しい訓練でした。
拳銃訓練は文字通り実際に拳銃を貸与され、実包を装填しての訓練になります。
この射撃訓練は一歩間違えれば死亡事故につながるため、その厳しさは常軌を逸していました。
現場において、拳銃には使用条件があります。
拳銃訓練は、まずその使用条件となる法令を丸暗記するところから始まります。
それをクリアしたうえで、次に拳銃操法というものを学ぶのですが、これは拳銃の扱い方を実際に操作し体で覚えるというもので、弾倉の開き方、弾倉にタマを装填する方法、撃鉄の安全な下ろし方など、拳銃を使用するうえで必要な動きを学ぶのです。
この順序を少しでも間違えれば、教官から怒号や罵声を浴びせられるうえ、エンドレスに腕立て伏せをさせられたり、約700gある拳銃を数十分間撃つ構えの姿勢をとらされたり、最悪の場合は「何もさせてもらえない」という辱めを受ける事もありました。
さらに、教官を怒らせてしまった時にはその日の授業が終わった後、拳銃指導の教官に謝罪しに行くという地獄のような時間が待っていました。(※教官がすでに帰宅してしまっていたら翌日、許してもらえなかったら翌々日も)
ただでさえ教官室に入るためには「入室要領」という儀式のようなものを行わなければならず、それが拳銃教官室ともなれば、その「入室要領」に不備があっただけで門前払いされる始末でした。
その拳銃操法をクリアして、やっと射撃訓練が開始されます。
一般的な警察官(お巡りさんとか各警察署の内勤警察官)は一人一人個人番号が記された拳銃を貸与されます。
この拳銃はスミス&ウェッソン製の回転式けん銃で5発タマが装填できます。
狙い方はショウセイとショウモンを合わせるというもので、最初は全く意味がわからなかったのですが、実際に撃ち始めてだんだんと意味がわかってきました。
拳銃の先端部に突起のようなものがあるのですが、その突起がショウモンと呼ばれる凹の部分に凸(突起)を重ねることで照準を合わせることができるのです。
実際に射撃した時の感想ですが、思っていた以上に反動が大きいということです。
それこそ本当に拳銃を手から放してしまうんじゃないかと思うほど強い反動がありました。
ただ、慣れて行くにつ入れてその反動を利用して撃てるようになっていきます。
拳銃には初級・中級・上級とその射撃技術に応じてランク分けされています。
この初級をとれないと現場で拳銃を撃つ事ができないのです。
ちなみに私は拳銃はそこそこ上手かったので、警察学校で中級を取得し、初任補習科で上級を取得しました。
ちなみに柔剣道ですが、警察学校ではどちらかを選択しなければなりません。
私は柔道を選択し、初段を取得しました。
最終的には剣道、柔道、いずれも二段以上取得することが義務付けられています。
私は剣道があまりにも下手くそでしたが、柔道は得意でした。
警察は年に一度、府警全体で柔剣道大会があります。
これは各警察署から選抜されたメンバーで他の警察署の選抜メンバーとトーナメントで戦い競うというもので、このメンバーには初段○人、二段○人、三段○人、といったように制限が設けられていました。
私は初段の中では強い方でしたので、当時の先生と密約を交わして、剣道を二段にしてもらう代わりに柔道を昇段させないということにしてもらいました(笑)
ちなみに警察署を異動してすぐに二段に上げました(笑)
私は例外ですが、現場で働く警察官は柔剣道いずれも二段を取得しており(あくまで警察の昇段)、格闘技経験のない素人には負けない武力を持っています。
次回は警察学校での辛かったこと、感動したことを話したいと思います。
ケイジ探偵事務所
住所:大阪府門真市千石東町39-1-4
NEW
-
2024.10.10
-
2024.10.02大阪の探偵が流行りの...今ネットフリックスで話題の地面師たちについて話...
-
2024.09.23元大阪府警の警察官が...警察官を退職してから数年が経過いたしました。 ...
-
2024.09.16警察を脅したヤクザの...かなり以前に暴力団組織の幹部の取調べにおいて、...
-
2024.09.04でっちあげDVについて...以前のブログにもあげたかもしれませんが、とても...
-
2024.08.29続:交渉や駆け引きの...前回の続きになります。今回は具体的な交渉の方法...
-
2024.08.22取調べをした経験から...しばらく更新が遅れてしまい申し訳ありません。さ...
-
2024.08.08探偵に依頼する際にお...パートナーの不貞を疑った場合、みなさんは何を考...